研修を経て正社員へ―心が限界になったときもグラミンのスタッフに支えられた

藤田 未希乃 さん

3年前に離婚し、高校生から小学生までの子供3人と暮らしているシングルマザーの藤田未希乃さんは、e-Learningを通じてIT関連スキルを習得する機会が得られる人材育成プログラム「糸満でじたる女子」の元受講者です。このプログラムには、“伴走支援”などの提供者としてグラミン日本も参加していました。

修了後、藤田さんは「グラミン日本BPO部門」での業務委託にも挑戦されました。



BPO部門を経た藤田さんは現在、正社員の職を得て過ごされています。グラミン日本での経験がどのように役に立ったのかなど、お聞きしました。

家の中が険悪―研修は伴走支援で乗り越えた

―「糸満でじたる女子プロジェクト」に参加されていた頃の様子を教えてください。

実はちょうど離婚直後で、精神的にジェットコースター状態だったんです。私がしっかり稼がないと、この子たちに苦労かけられないし、お腹いっぱい食べさせていかないといけないし、負けたくないという思いがありました。

でもパートで収入が低く、時間も無くて、一緒に遊んであげることもできないと自分を責め、とても大きな不安に押しつぶされそうでした。

家の中もてんやわんやで、こんなときに研修を受けてしまったという後悔もしていたんです。でも乗り越えられたのは、グラミン日本の伴走支援を受けることができたからだと本当に思っています。



結婚が21歳と早かったので、周りに離婚している友人がほとんどおらず、つらい感情やこの先どうしたら生活していけばいいかなど、誰にも相談できなかったんです。そんななかでいつも寄り添っていただきました。

ただ優しく甘やかすわけじゃなく、ちゃんと私たち一人ひとりが自立するように、時には厳しく、でも見守ってくれているのが分かる、あの感覚が無かったら、一人で暗闇に飲み込まれてやさぐれていたと思います。

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BPO部門での挑戦と、家庭の悩み

―BPO部門ではどんなお仕事をしていましたか?

人的資本経営のセミナーなど、HRテクノロジー活用に関連した様々な活動をされている「一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム」(以下、HRT)の事務局運営や、グラミン日本のSNS運用などを担当しました。最初に入ったHRTのお仕事では苦労しました。ゼロからのスタートで、同じシングルマザーの同僚と悩みを相談しあいながら進めていきましたが、仕事の流れを追うことに必死で、また流れを覚えてもイレギュラーなことはたくさんあり、思うように業務を行えなかったときもありました。

※HRTでの業務については、こちらのnoteもご参照ください。

でも自分が今まで全く経験のなかったことが「あ、いまできるようになったかも」と思えた瞬間は嬉しかったです。SNS運用でも事務局運営でも、初めてバナーやプレスリリースを作り、「これ私が作ったんだな」と画面を見ながらしみじみしました。

けれどもし一人だったら、やりきることはできなかったと思います。周りの皆さんが教えてくださって、時間を作ってミーティングを開いてくれたり、私が作った成果物に対してフィードバックを寄せてくださったり。精神的な面でも大きくサポートしていただきました。

―在宅でBPO部門の仕事をしていましたが、工夫されたことはありますか?

一番は時間の使い方ですね。お風呂が終わって、ご飯も食べて、子供たちも寝かせて、その後に仕事にじっくり取り組むことが多かったです。末っ子がまだ小さかったので、私がパソコンを触っていると、ゲームをしていると思って見に来るので、SNSに投稿したものを見せて「これママが作ったんだよ」「そうなんだ」なんていうやりとりもしました。

塾の送り迎えなども全部わたし一人でやらなければいけないので、在宅で仕事ができるようになり、子供のために使える時間が増えたのはうれしかったです。子供たちも学校から帰ってきて、家に母親がいると安心するみたいでした。

ただ、実はBPO部門で働いてる間にプライベートのほうでいろいろと問題が起きてしまい、仕事のミーティングに入ることができない日もありました。もう完全に八方塞がりで身動きが取れなくなり、自分の中で限界が来てしまって。

自分が変わるために挑戦して、やっとできることが増えてきたのに、無責任に仕事を投げ出すわけにもいかないし、私に関わってくださった方々たちに本当に申し訳なくて、毎日どうしようどうしようと悩む日々が続きました。

そんな申し訳なさと怖さでいっぱいだったとき、研修の担当者だったグラミン日本のスタッフさんに、正直にポロポロと話を聞いてもらったんです。責められてもおかしくない状況だったのに、抱きしめてくださって、私の気持ちも涙も一気にあふれ出てしまいました。包み込んでくださったことに、感謝の気持ちでいっぱいです。

いまの仕事に生きるグラミンでの経験

―勇気を出して相談してくださって、本当によかったです。現在はどのように過ごされていますか?

今は、食品包材のデザインや加工、卸しをしている愛知県の企業で、今年3月から沖縄支店の生産管理課の正社員として働かせてもらってます。在庫管理や手配をし、物流や印刷業界とも深く関わっていて、新たな世界を見ることができてとてもやりがいがあります。

会社に入ったきっかけは、10代の頃に登録した派遣会社からの電話でした。登録したこともすっかり忘れていたのですが、一度顔合わせしてみたらそれが面接だったんです。そのとき気持ちが落ち込んでいたので「私なんかが受かるはずない」と思いながら行ったのですが、なぜか合格して派遣社員として働かせてもらうことになり、その一年後に正社員として正式に雇用されました。

―今のお仕事で、グラミン日本での学びや経験はどう生かされていますか?

全部生かされているなと日々感じます。たとえばお客さんのところへ訪問に行って打ち合わせをする時、私は子供の時からすごく緊張するタイプだったのですが、あまり緊張せず普通に話せたんです。まだまだ勉強中の身ではありますが、難しい打ち合わせをたくさんさせていただいた経験が、知らず知らずのうちに自分を変えていたのかなと驚きました。

資料を作る際も、自分が顧客になったつもりで、数字は必ず合計を出して、送る時はPDFにして―というあの頃学んだことが全部生かせています。

―今後の目標を教えてください。

最近、離婚したいけどできないという友人が相談してくれることが増えてきました。私は用意周到に準備して、養育費や財産分与の手続きをしてから離婚したんですけど、それでも離婚後は毎日涙を流して殻にこもっていました。なので、悩んでる人に寄り添いたい、少しでも何かできることがあればと思っています。

ちょうど今、糸満市の支援をしてくださる「糸満市母子寡婦福祉会」という団体で、シングルマザーから役員を募集しているという回覧があったので、お話を伺いに行こうと思っています。これからも一歩ずつ、できることが増えたらいいなと思ってます。

※藤田さんには2024年度の事業報告書でもインタビューをしています。合わせてぜひご覧ください。

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