「将来に対する不安を克服するため」デジタルスキルを習得して、新しい夢を追いかける!

當山華奈 さん

グラミン日本が、日本シングルマザー支援協会やMAIAとともに取り組む、デジタル人材育成と就労支援のための「でじたる女子」プロジェクトを卒業し、新しい夢に向かって一歩を踏み出した當山華奈さんのストーリーを紹介します。

シングルマザーとして、3歳の女の子を育てる當山華奈さん。今はまだ20代で健康には自信があるけど、フリーランスで体力を使う仕事をしていることもあり、自分が身体を壊したら収入がなくなるという不安が頭から離れない毎日を過ごされてきたそうです。

「もしも自分が身体を壊したら生活はどうなってしまうだろうと、ずっと不安でした。『何か副業を』とも考えましたが、特にこれといった技術や才能があるわけでもありません。そんな焦りのせいか、仕事から帰ってきて疲れていた時に、娘が『ママのお手伝いしたい』と言ってきてもかまってあげられなかったり、ちょっとしたことで娘を叱ってしまうことも……。後からもう少し自分に余裕があればもっと2人が笑顔で過ごせるのに、とずっと悩んでいました。」
そんな時、友人が教えてくれたのがSAPテスターの仕事でした。
SAPシステムに不具合がないかどうか調査するテスターはニーズが高く、在宅ワークが可能な点も子どもとの時間を確保したいシングルマザーにとっては大きな魅力です。

「テスターとして経験を積めば将来的にもっと専門性の高い仕事にも就けると知って興味が沸きました。ただ、すぐに受講を決めることはできなかったのです……。」

その理由は、3つの大きな不安。
普段でも仕事、家事、育児で時間の余裕がないのでに、学習について行ける?
受講のために仕事をセーブして収入が減ったら、生活は?
そもそも、これまでパソコンは文字入力しか経験がないのに、できるのだろうか?

これはスキルアップを目指す多くのシングルマザーが直面する問題かもしれません。
でも、富山さんが参加した「でじたる女子」は、休眠預金を活用した就労支援プログラムで、3カ月間の受講料は全額無料。そのうえ参加者にはグラミン日本から給与が支払われるので、受講中の生活費を心配する必要もありません。そんな環境があると分かったからこそ、當山さんは迷いながらも「でじたる女子」参加を決めました。

「まったく知識がない状態から始めたので最初は不安でしたが、1つ理解できるとどんどん楽しくなって、もっと深く学びたいという気持ちが強くなっていきました。ただ、うちの娘はショートスリーパーで(笑)、昼寝もしないし夜も遅くならないと寝てくれません。コロナで保育園が休園になった時は、元気すぎる娘とずーっと家にいて、学習どころかパソコンの起動さえできない日が続き、学習への焦りと不安が日に日に増幅、モチベーションも低下しました。あー、もう無理。何もできなかった…。と思う日々を過ごしました」

そんな時に支えになったのは、グラミン日本独自の5人1組グループの仲間たちだったそうです。学習上の悩みから、普段はなかなか人に言えない不安や将来の夢までをメンバー間で共有することで、1人ではむずかしいチャレンジも成功させてしまう。そんな不思議な力が、グループワークにはあります。

「普段の自分ならいつもの三日坊主で終わっていたかもしれませんが、グループみんなで同じ課題に取り組むことで自分を奮い立たせ、最後までやり切ることができました。」

そして當山さんは、無事にプログラムを卒業!今はSAPテスターとしての就職を目指しています。3か月のプログラムを頑張ってやり抜いたことで、自分への自身にもつながったようです。

そして今、将来の夢を伺ってみると、、

「娘と愛犬、2人と一匹の家族で、毎日穏やかに暮らしていきたいなあ、娘の習い事も本人が望めば続けさせてあげたいですし、もう少し大きくなったら一緒に旅行などもしてみたい、、娘がやりたいと思ったことをできる限り叶えてあげたい! 心からそう思っています。」

「SAPテスターのように、デジタルスキルがあれば自宅以外でも、どこでも働くことができます。また今の仕事と違って体力勝負ではないので、長く続けられますし。今回思い切って一歩を踏み出したことで、自分に自信が付きましたし、将来に対する不安が少し和らぎました。仕事の可能性を広げることができて、本当に良かったと思っています。」
今回、當山さんがインタビューに応じてくださったのは、ある強い思いから。
「私と同じようなシングルマザーにとって、収入源を1つでも多く持つことは安心材料になるはずです。デジタルスキルを身に着けて、在宅で仕事ができるという選択肢があること、そして誰にでも実現のチャンスがあることを、私と同じようなシングルマザーの方に知っていただきたい。そう思いました。」