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理事長から新年のご挨拶

グラミン日本の理事長、百野公裕です。皆様に新年のご挨拶を申し上げます。

グラミン日本の活動に対するご理解と温かい支援を賜り、心より御礼申し上げます。2023年度、日本経済は新型コロナウイルスの影響から脱してインバウンド需要の回復など、改善の兆しが見えてまいりました。一方、コロナ禍で実施された緊急融資の返済や物価高によって経営体力が小さい中小企業の倒産が増加しており、非正規雇用が多いシングルマザーの雇用環境は変わらず予断を許さない状況です。物価の高騰も彼女たちの生活に大きな影響を与えることとなりました。このような困難な状況の中、我々は変わらずシングルマザーを中心とした女性に対すする支援活動を継続してまいりました。2023年度の主な取り組みとして4つご紹介させていただきます。

まず、初の地方支部として、仙台支部が本格的に活動を開始いたしました。現在は支部長以下、7名の方が仙台地域に在住するシングルマザーのリスキル・就業支援に奮闘していただいております。将来的には東北各県への支援拡大を目指してまいります。次に、米国のNCR財団からの助成金を活用し、デジタルスキル研修と就労支援の体制を構築、各地方自治体が展開する「でじたる女子プロジェクト」に独自の研修プログラムの提供をスタートしました。マイクロファイナンス事業においては、支援団体との連携を強化し、地方でのワークショップの開催も拡大しました。

また、我々の活動によって自立の一歩をスタートしたシングルマザーの方々に対して、ラーニングポータルサイト「GraClub」を開設しました。このサイトは、彼女たちの人生における「学びの場」「交流の場」として今後、機能していくことを期待しています。内部的には、新しい理事の参画により、事業面と広報面を強化することができました。専任理事が就任した助成金事業では、2023年9月に「2023年度通常枠<第1回> 休眠預金等活用法に基づく資金分配団体」として採択されました。2021年度通常枠に続き2回目の採択となります。2023年5月には、初めて一般向けとして事業活動報告会を開催し、多くの方にオンラインでご視聴いただくことができました。今後も定期的に報告会を開催していく予定です。

さて、2024年度の方針としては、「助成金・デジタル就労を軸とした自立支援モデルの構築とスケール化」を掲げさせていただきました。具体的には、マイクロファイナンスの拡大、ファンドレイジング機能の強化、シングルマザーと支援企業・団体との連携を通じたコミュニティの拡大を図ってまいります。大きな動きの一つとして、休眠預金資金活用事業における新たな6実行団体の採択を予定しています。2021年度からグラミン日本が採択し活動を開始している 4団体と合わせた10団体が日本全国でのデジタルスキル研修と就労支援事業を加速してまいります。シングルマザーの方々が直面する困難は多岐にわたり、我々の支援、応援が一層必要とされていることを痛感しています。その一方で、皆様からのご支援と励ましにより、一歩一歩、前進を続けることができました。新年においても、我々の活動にご理解をいただき、共に歩んでいただけることを願っております。

改めて、ご支援に対する深い感謝を申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

2024年元日

一般社団法人グラミン日本 理事長 百野公裕