念願の鍼灸院を開業。その先に続く夢

渡部真紀子 さん

いつか必ず実現したい夢があるけど、失敗したらどうしよう。もう少し準備してからでも遅くないかも……。そんな迷いは誰にでもあるはず。ましてや、子どもたちの日々の暮らしと未来を1人で背負うシングルマザーの場合、一歩を踏み出すためには大変な勇気を必要とします。

グラミンメンバーの渡部真紀子さんも、例外ではありませんでした。
「いつか鍼灸院を自分の手で開業したい。ずっとそう考えていました。でも、具体的にどう動けばいいのかわからず、足踏みしている状態でした」
止まっていた時計が動き出したのは、2021年5月。グラミン日本と連携する日本シングルマザー支援協会のワークショップに参加してからでした。サポーターの支援を受けながら、開業するのに必要な資金や手続き、開業後の事業プランなどをどんどん詰めていったと言います。
グラミン日本では5人1組のグループを組んで、メンバー同士がお互いに励まし合い、刺激も受けながら起業や就労を目指します。「2週に1度のミーティングまでに、次のステップに進むための課題をクリアしたり、進み具合を発表しなければならないので、結構なプレッシャーでした。でも、サポーターをがっかりさせたくなかったし、チームの仲間にも負けたくなかった。何かと後回しにしがちな自分が最後までがんばれたのは、みんなのおかげです」

そして2021年11月、念願の鍼灸院をついにオープンします。鍼灸師としての確かな腕とキャリアを持ちながら、出産と子育のためにいったん仕事を離れていた渡部さんにとって、それは「自分を再認識する時間だった」と言います。
「数年ぶりに鍼灸師としてお客さまからお金をいただいた時、私はこの仕事が本当に好きなんだと感じたんです。絶対に続けていくと自分に誓いました」

渡部さんには次の夢があります。それは、鍼灸院併設のシェアハウスをオープンすること。
「グラミン日本で知り合ったチームメンバーが、目の前の目標だけでなく、人生をかけてかなえたい夢を持っているのに刺激を受けたんです」

持ち前の技術力に磨きをかけて、まずは集客力をアップすること。その結果、経営が軌道に乗ればシェアハウスの計画もきっと実現することでしょう。
「シングルでもそうでなくても、子育てにはいつかは終わりが来ます。そこで燃え尽きたりしないよう、自分の夢を持っていたい。子どもたちにも、そんな自分の姿を見てほしいと思っています」