偏見のない環境で実現した起業の夢

N さん

「色鮮やかで豪華な着物を纏ってみたい」。
日本を訪れる外国人のそんな希望をかなえているのが、グラミン日本のマイクロファイナンスを利用したNさんです。
高度で繊細な技法を駆使して日本の伝統柄を描く色打掛は、着物のなかでも最も豪華なものの1つですが、日常的に着るものではないので、リサイクルの需要は限られます。
Nさんはそこに着目して、外国人に手軽な価格で販売し、着付けから写真やビデオの撮影までをワンパッケージで提供することを思いつきました。

専門学校卒業後にカメラマンのアシスタントとなり、その後、撮影と勉強のために海外へ活動の場を移したNさん。実は独身時代から、いつかは起業したいと夢見ていましたが、結婚、出産、離婚と経験するうちに、シングルマザーが起業をするなんて周囲から理解されないと思い、あきらめていたそうです。
「実際、起業塾や経営セミナーなどに足を運んで、偏見の目で見られていると感じた経験があります。それが、日本シングルマザー支援協会主催のプレグラミンでは、まるでなかったんです」

プレグラミンとは、グラミン日本のマイクロファイナンスをはじめとするさまざまなサポートを気軽に体験できるイベント。グラミン日本のメンバーになる前のステップなので「プレグラミン」です。
これを足がかりに、封印していた起業の夢を再び追うことにしたNさんですが、すんなりと事業化できたたわけではありません。やりたいことや自分の思いばかりが先行して、顧客視点やマネタイズの方法が考えられていなかったり、やっぱり今度もダメかもと心が折れそうになったり。

そんなときに支えになったのが、同じく融資を希望する5人一組の互助グループのメンバーと、さまざまな経歴やスキルを持つグラミン日本のサポーターでした。自分にはないアイデアや指摘をもらったり、子育ての悩みや将来の不安を共有して励ましあったりすることで、孤独感がどんどん薄らいでいきました。

起業を実現させたNさんが次に目指しているのが、ほかのシングルマザーの力になること。その背景には、外国の血を引くミックスの子を持つシングルマザーとして、偏見に悩まされてきた自身の経験があります。
「グラミン日本に出会って、偏見や差別を受けているママをサポートしたいと前から考えていたのを思い出したんです。誰でも挑戦できる偏見のない環境がかなうよう、シングルマザーの仲間と進んでいきたいと思っています」

手を繋ぐアイコン寄付について  ハートが浮かぶ手のアイコン支援をご希望の方