グラミン日本について

グラミン日本とは

貧困のない、誰もが活き活きと生きられる社会へ

先進国と呼ばれる日本。しかしながら、格差は徐々に拡大し、今では国民の6人に1人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされています(*)。現代の日本では、貧困は失職、病気、ケガ、事故、配偶者との離別・死別などによってほとんどの人に起こり得る、明日は我が身の問題になっています。

グラミン日本は、貧困や生活困窮の状態にある方々に低利・無担保で少額の融資を行い、こうした方々が起業や就労によって貧困や生活困窮から脱却し自立するのを支援するマイクロファイナンス機関です。これまでの金融ではカバーされなかった人たち、たとえば働く意欲はあっても今は生活が苦しいシングルマザーやワーキングプアの人たちに、生活資金ではなく、「起業や就労の準備のためのお金」を融資します。

私たちは、働く場所があるということが真の意味で人を貧しさから救う、そして融資資金はそのための種(シード)になると考えています。

グラミン日本は、開発途上国のみならず、欧米先進国でも貧困削減に効果(**)を上げているグラミン銀行の日本版です。日本の実態にあった方法で運営します。

貧困のない、誰もが活き活きと生きられる社会をつくりたい、それが私たちの想いです。

グラミン銀行とは:

ムハマド・ユヌス博士により、1983年バングラデシュに設立された銀行。5人一組のグループ融資を行い、毎週センターミーティングを開いて連帯責任のスキームの下借りたお金を返済します。貧困層の自立を支援した功績により、ユヌス博士とグラミン銀行は2006年にノーベル平和賞を受賞しました。借り手の97%は女性で、貧困・生活困窮者に無担保で融資を行い、ほとんど貸倒れのない実績を上げています。

(*)厚生労働省の調査によると、日本国民の15.7%、6人に1人の約2,000万人が貧困ライン以下で生活しています(2015年)。日本では過去30年以上一貫して、シングルマザーの過半数が貧困という現状にあり、そのような国はOECD先進国35カ国の中で日本だけです。
(**)2007年に米国で設立されたグラミンアメリカでは、約10年間で約10 万人を対象に、9.4億ドル(約1,030億円)の融資を行い、10万9,000件の雇用を創り出しています。

グラミン日本が目指す社会

グラミン日本の理念は、次のような社会に日本の社会を変えていくことです。

  • 貧困のない、誰もが活き活きと生きられる社会
  • 貧困・生活困窮に陥った時、そこから脱却する助けがセーフティネット/ソフトインフラとして整備されている社会
  • 生業的な起業(プチ起業/小商い)が普通にできる社会
  • Job SeekerよりJob Creatorが活躍できる社会
  • 地域・コミュニティがお互いに助け合い、共感のある社会
  • ユヌス・ソーシャルビジネス7原則(*)が実践される社会
  • 会社が、株主だけでなく経営者、社員、取引先、顧客、地域・コミュニティなど全ステークホルダーに貢献する社会

(*)ユヌス・ソーシャルビジネス7原則

  1. 利益の最大化ではなく、社会問題の解決こそが目的であること
  2. 財務的に持続可能であること
  3. 投資家は投資額を回収するが、それ以上の配当は分配されないこと
  4. 投資額以上の利益はソーシャルビジネスの拡大や改善のために使うこと
  5. 環境へ配慮すること
  6. スタッフは標準以上の労働条件・給料を得ること
  7. 楽しみながら仕事をすること

グラミン日本は、ユヌス・ソーシャルビジネス7原則に基づいて設立され、運営されます。

ビジネスモデルについて

グラミン日本においても、グラミン銀行やグラミンアメリカと同様に、借り手が5人一組となって互助グループを作り、起業や就労の準備のための融資を受けます。グラミン日本は、働く意欲はあっても今はお金がない方々に融資と仕事の機会・就労支援をワンセットで提供し、融資の後にも毎週のセンターミーティングでグラミン日本のスタッフがフォローアップを行います。

起業した方には経営のアドバイスを、また、就労を目指す方には就労支援を行うなど、顔の見えるコミュニケーションを行います。融資を受けたメンバー間は励まし合いながらローンを返済し自立を目指します。

支援対象者(グラミンではメンバーと呼ばれます)の条件:

  • 貧困ライン以下の生活困窮者(約2,000万人)(*)で、働く意欲と能力のある人
  • 互助グループ(5人一組)(**)を作れる人
  • 働いて生活をステップアップしたい人、前向きに生きていきたい人

(*)潜在的な生活保護受給資格者や、生活保護基準の1.8倍以内の低所得者など
(**)5人一組の互助グループはグラミン・メンバーの基本単位です。お互いに監視をするのが目的ではなく、信頼関係に基づいて仲間が一緒に支え合って頑張っていくコミュニティです。

グラミン日本の沿革

2017年
2月
グラミン銀行の創設者であるムハマド・ユヌス博士が来日。
グラミン日本の設立について菅正広教授(明治学院大学大学院)と合意し、ユヌス博士とグラミン・トラストが全面的にサポートをすることとなった。

©Nasir Ali Mamun (Yunus Center)
6―7月 講演会・ワークショップを開催。グラミン日本の創設に志を同じくする仲間が集まる。
コアメンバーが毎週集まり、理事会・準備会合で検討を進める。
サポーター集めやアライアンス先開拓。
8月 一般社団法人「グラミン日本準備機構」を設立(設立日:8月9日)。
8-10月 プロボノの弁護士、会計士、コンサルタント、税理士など各分野の専門家が参加。
11月 ユヌス博士来日。中間報告・協議。
12月~ ワークショップの開催。グラミン日本立ち上げに向け準備を加速・本格化。
2018年夏のグラミン日本の設立・事業開始を目指す。
2018年
4-5月
全国5か所(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡(直方))でのワークショップの開催。
5月 クラウドファンディングにより1,000万円以上のご支援をいただく。
8月 東京都より貸金業登録交付。
9月13日 一般社団法人グラミン日本、設立・事業開始。

組織概要

一般社団法人 グラミン日本

〒103-0027 東京都中央区日本橋1丁目8番3号 第4江戸橋ビル 5F

会長:ムハマド・ユヌス博士
理事長:菅 正広
理事:百野 公裕
理事:多賀 俊二(事務局長)
理事:白瀧 征人
監事:井上 陽
監事:兒玉 久実
顧問:根本 剛史
顧問:江成 道子

企業、NPO, 金融機関、コンサルティングファーム出身者を中心に、弁護士・会計士・戦略コンサルタント・税理士など各分野の専門家などの有志が参画。
モットーは、「あせらず、着実に」、そして”Fast alone, Far together!”(仲間、サポーター、アライアンス先、社会、次世代の若者・・・と一緒に前に進む)。

理事長略歴:

菅 正広 ― 福島県生まれ。財務省で財政金融政策に携わり、世界銀行日本政府代表理事などを務めた後、2017年より明治学院大学大学院教授。2008年にユヌス博士に出会ったのが人生の転機になる。日本でのマイクロファイナンスを決意し、2017年8月、グラミン日本準備機構を仲間とともに立上げる。

▶ グラミン日本設立に際して、ムハマド・ユヌス博士(グラミン銀行創設者)のメッセージ

アドバイザリーボード

メンバー

  • 青井 浩  丸井グループ代表取締役社長
  • 榮川 和広 弁護士
  • 神永 晉  元住友精密工業社長
  • 北原 義一 三井不動産代表取締役副社長
  • 佐藤 慎一 第一生命経済研究所特別顧問、元財務省財務事務次官
  • 鈴木 敦子 ETIC. 理事兼事務局長
  • 中内 綾  アフリカ協会理事
  • 中村 誠司 中央電力代表取締役
  • 新田 信行 第一勧業信用組合理事長
  • 丹羽 恵久 ボストン・コンサルティング・グループPartner & Managing Director
  • 原 丈人  アライアンスフォーラム財団代表理事、デフタパートナーズ会長
  • 藤沢 久美 シンクタンク・ソフィアバンク代表
  • 古村 伸宏 ワーカーズコープ理事長

(2018年9月現在。あいうえお順。敬称略)